血管腫・血管奇形は、病変にある血管の種類や部位によって症状が多岐にわたるため、患者が最初に受診する病院は様々で、新生児の時点ですぐに正しい診断を受けて病院を紹介される場合もあれば、症状が出てから近所のクリニックや総合病院を受診する場合もあります。また、希少疾患であることから、最初の診断で正しく診断されない場合も多く、間違った診断を受けていたり、適切な治療や経過観察ができていない場合もあります。
正しい診断を受け、自ら治療を選択していくことは患者にとってとても大切なことです。もし、「血管腫」とだけしか診断されていない方や疾患について尋ねても詳しい説明がなく困っているという方がいらっしゃったら、一度血管腫・血管奇形に詳しい医師に診断をあおぐことをおすすめします。日本血管腫血管奇形学会のホームページでは、血管腫・血管奇形を診療している施設の一覧(2022バージョンはこちら)が公開されており、どの疾患に対応しているか、どんな治療を行っているか、を一覧表で確認することができます。初めて受診される際には紹介状や初診予約が必要な場合が多いため、必ず事前にお電話にてご確認ください。
また、血管腫・血管奇形は、特に難治性の場合には長く疾患と付き合っていかなければならないことも多く、医師との信頼関係は治療を行う上でもとても大切です。疾患や治療のことについて、わからないことは躊躇せずに尋ね、自身の考えもしっかりと伝えることが、信頼関係の構築にも役立ちます。初めて受診する病院の時には、いつ頃からどんな症状があったのかや困っていることなどについて整理しておき、血管腫・血管奇形以外の病歴や服用している薬(あればおくすり手帳)についてなども整理しておくとスムーズです。限られた診察時間の中で質問することや伝えることを忘れてしまわないように、あらかじめメモを持参するのも良い方法です。セカンドオピニオンの際には、前の病院での撮影画像(CTやMRIなどの)や紹介状を持参するようにしてください。疾患や治療のことについての不安は拭いきれないこともありますが、漠然とした不安を抱えることのないよう、信頼できる医師のもとで疾患に向き合えるように病院を探しましょう。